破裂矯正の治療費はローンが組める? 組めない?


虫歯や歯周病など、一般的な歯の治療費は健康保険を使い、自己負担分のみを窓口で現金で支払い。近頃は大病院だけでなく、個人の医院でもクレジットカードが使えるところが増えつつあるようですが、取り敢えずこれがオーソドックスなパターンかと思われます。

しかし、保険がきかない自由診療で、しかも、高額な費用のかかるインプラントや歯列矯正となると話は別です。もちろん、一括で支払えるだけの経済的余裕や蓄えがあれば、それに超した事はありません。また、経済的余裕がないのにインプラントや矯正治療をしようなんて考えるなとおっしゃる方も少なくはないでしょう。

特に矯正歯科については医療行為ではなく美容行為だという専門家もいて、その必要性は賛否が分かれるところです。何しろ、美容外科が扱う審美歯科もその主たる施術は矯正なのですから、お金もないのにと批判されるのも致し方のないところでしょう。たとえお金があっても、本当に必要なのか?無駄遣いにならないのか?などなど、疑問や迷いが湧いて来るところではあります。

ですが、歯並びの悪さが一つのコンプレックスとなり、就活や婚活に積極性を欠く人がいるのもまた、まぎれもない事実です。そこで、そういう人たちを支援すべく登場したのが『デンタルローン』という事で、ローンを組んで歯列矯正が出来るか出来ないかと言えば、答えはyes、出来るという事になります。

このデンタルローンというのは、歯の治療費専用の金融商品で、歯科矯正だけでなく、インプラント治療や保険適用外となる義歯の挿入にも利用出来ます。借入限度額は300万から500万。返済期間は平均6ヶ月から7年、分割回数にして6回から84回といったところでしょうか。

ただし、分割の回数については、ローンを組む金融機関や金融会社によって異なります。銀行は比較的長期にわたる返済が可能ですが、信販会社やローン会社といった金融会社はいささか短めです。さらに、限度額は申込者の収入と治療方法によって決まり、当然ですが、それなりの金利が付帯します。そして何より、必ず審査があって、その審査に通らなければ利用出来ません。

加えてもう一つ、金融会社の出すデンタルローンは、治療を受ける歯科医院によっても組める・組めないが違って来ます。そこで今回は、そんなデンタルローンについて、どんな種類があるのか? どんな人が組めて、どんな人が組めないのか? デンタルローンが組めない時にはどうすればいいのか? といったところを調べてみたいと思います。

歯列矯正のためのローンが組めない人1、審査基準に問題あり


歯列矯正のためのローンが組めない例として思いのほか多いのが、審査基準を満たしていないというものです。自分ではまじめに働いていて、カードローンや消費者金融の借金もないし、まず大丈夫でしょうと思い込んでいても、あっさりNGになる事が珍しくありません。

実際もんだ、“満20歳以上65歳未満の安定かつ継続した収入のある人。”これは、ほぼ100%のデンタルローンに設定されている条件です。ただし、学生と専業主婦、さらに、年金生活者は不可としているところが目立ちますが、まあそれはしかたないでしょう。

ただ、社会人として市民権を得ている成人男女で、毎月安定した収入があればいい訳ですから、無理に正社員でなくても問題なし。事実、信販会社はもちろん、銀行でも多くのところがパート・アルバイトもOKとしています。

となると、その審査基準は意外とハードルが低そうな気がしますよねぇ。ところがこれって、実はただの申込基準にすぎず、実際の審査基準は全く別に設けられています。そのため、審査に通らず、ローンを組めない人が少なくない訳です。

ならば、実際の審査基準はどこに重きを置いているのかと言うと、ズバリ借入を希望する金額と年収のバランス。つまり、そこそこ高額になる歯列矯正の費用を賄うためのローンとなると、そこそこ高額の収入がないと組めないという事なのです。

というのも、月に1度か2度、日雇いバイトのような形で知り合いのお店を手伝いに行ったりして、1万円程度の日当を得ていても、それが何年も途切れる事なく続いていれば、安定かつ継続した収入になります。年収12万円です。しかし、仮に100万円の治療費を金利4.5%で借入れし、84回の分割で返済するとしましょう。月々の支払い額は1万3,862円です。そう、1万円のお給料では全然足りないのです。

しかも、デンタルローンの支払いをすると財布の中が0円になってしまい、たちまち生活苦に陥るというのでは困ります。少なくとも、少し切り詰めれば正常な日常生活が送れるだけのお金が残るように貸し付けるのが金融機関や金融会社の勤め。これは消費者金融でも同じで、それを法的に義務づけているのが総量規制です。年収の3分の1を超える融資をしては行けないという規定ですね。

ただ、信販会社やローン会社、カード会社など、民間の金融会社には、この総量規制が適用されますが、銀行や信用金庫と言った金融機関は対象外となります。さらに、使途自由なフリーローンではなく、デンタルローンは歯の治療費として支払う目的を定めた目的型ローン。おまけに、歯の治療費は医療費なので総量規制は適用されず、その点は気にする必要ないでしょうとおっしゃる専門家も稀に居ります。

確かに、医療にまつわるお金は、時に人の命に関わる可能性を秘めています。さらに、虫歯や歯周病の治療だけでなく、インプラント治療や矯正治療にかかる費用も間違いなく医療費で、医療費控除の対象にもなっています。

とは言え、無理な返済を強いるような貸付は正当な金融ビジネスを営む以上、絶対に出来ません。結果、総量規制の有無に関わらず、どこの金融機関や金融会社でも年収の3分の1を多くの融資における限度額の目安と定めているのです。

もちろん、若干の柔軟性を持った検討はしてくれるでしょう。恐らく、年収100万円の人が、40万前後のインプラント費用を賄うためのローンを組む事は可能かと思われます。しかし、年収100万円の人が100万円の歯列矯正のためのローンを組む事は出来ません。

加えてもう一つ、継続という点で、勤続年数が浅いと一先ず見送られる事があります。特に派遣社員の場合はその傾向が強く、正社員でも最低1年以上、同じ会社に勤務し、その会社から発行される源泉徴収票を所得証明書として提出出来る事がポイントです。そう、いくら安定した収入があっても、その金額と継続期間が十分でないと審査基準を満たしていないという事でNGになってしまうのです。

歯列矯正のためのローンが組めない人2、信用情報に問題あり


一生懸命働いていても収入が少なく、デンタルローンが組めない。これは実に不条理で納得出来ない人も多い事でしょう。でも、それが現実である以上、しかたがありません。受け入れざるを得ないのです。

さらに、世の中には、年収300万以上で、今の職場での勤続年数も1年以上。消費者金融での借入もなく、未だクレジットカードすら所有していない真面目一辺倒の人でも審査に通らない。100万円の歯列矯正のためのローンが組めないという事がしばしばあります。しかも、その理由が信用情報に問題ありというのですからびっくりです。

確かに、今、多額の借入れがあったり多重債務を抱えていると、新規でクレジットカードやカードローンなどを契約する事が難しくなります。これは先の総量規制の関係もあり、誰もが知るところです。また、過去にクレジットカードの支払いやカードローンの返済において延滞経験のある人。そして、借り逃げという形で負債を放置しているような人は当然ですが、きちんと債務整理した人でもNGであるというのが一般的な見解かと思われます。

ところが、一切のローン契約もなくカード利用もなければ、このような金融事故を起こしようがないのですから、信用度は抜群のはず。でも、駄目なんです。その理由は至って簡単で、その人の信用度を証明する記録がないからです。

通常、クレジットカードや銀行ローン、消費者金融からの融資などを利用すると、個人信用情報機関にその情報が登録され、以後、返済状況と残高が克明に記録されて行きます。もちろん、毎月まじめに返済していれば、それが実績として積み重ねられ、信用度が充実して行く訳です。そして、それが新たなローン審査やカード審査の際、信用度を測る目安となり、合否を確定する決め手の一つとなります。

しかしながら、その信用情報がどこにも登録されていなければ測りようがありませんから、どうしても審査は慎重になるでしょう。実際、生まれて初めて持ったクレジットカードやローンカードで借金苦に陥る人が少なくない事を考えると、油断大敵です。そのため、歯列矯正の費用のような高額のローンとなると益々危惧され、審査落ちする事も珍しくないという形です。

けれど、その一方で過去に自己破産した人でも新規でローンを組める事があります。なぜなら、延滞や負債、破産といった金融事故には全て時効が設定されているからです。その期間はトラブルの内容や相手によって異なりますが、概ね、5年から8年。10年たてば、ほぼ問題なしになるでしょう。

また、クレジットカードの延滞程度なら、半年ほどでクリアされます。そのため、自分は100%ローンが組めないと思っている人でも、審査に通る事があるのです。ただし、反対に、自分は100%ローンが組めると思い込んでいる人でも組めない事があるという事です。

歯列矯正のためのローンが組めない人3、治療を受ける医院に問題あり


ローンを組んで歯列矯正を受けるためには、年収や就労状況、さらに信用情報など、いくつかの条件があります。どれ一つ欠けても難しくなると思っておく事は大切です。

ところが、今の会社で勤続5年。30万の月給にボーナスを加え、年収は450万。以前あった消費者金融の借金も完済し、今は月々5万円程度、カードで買い物した分の支払いがあるだけというような人でもデンタルローンを組めない事があります。しかも、その理由が自分自身にではなく、歯医者さんにあるというのですから困ったものです。

というのも、信販会社やローン会社、あるいはカード会社が出すデンタルローンは、治療をする医院に直接お金を支払うというシステム。そこで、申し込みの手続き自体を歯医者さんの窓口で行うのが一般的です。インターネットで事前審査が出来たり、最終的な申込み手続きが出来るところもありますが、それでも、歯科医院が発行するパスワードや申込コードが必要で、患者が勝手に契約する事は出来ません。まさしくクレジットカードと同じで、歯科医院が金融会社と予め提携し、こうした必要なパスワードやコードを取得している事が絶対条件なのです。

ところが、複数の信販会社やローン会社の加盟医院になっている歯科もありますが、どこか1社としか提携していない歯科もあります。そうなると、掛かり付け医や矯正治療を受けようと思っている医療機関が提携医院でなければ、利用したいデンタルローンを利用出来ない事になるでしょう。それどころか、全国的に見て、どこの金融会社とも取引していない歯科医院が圧倒的多数で、まだまだデンタルローン自体利用不可というところが大半なのです。

もちろん、全てのデンタルローンがこの限りではありません。特に銀行などの金融機関が出すデンタルローンは基本的に契約者への直接融資で、医療機関の指定がないのが通常です。これから歯列矯正をする予定がある事と治療期間、それに掛かる総額などがきちんと証明出来る治療計画書や見積書さえ提示出来れば融資は受けられます。ただ、時にこのような歯科医院側の事情でデンタルローンが組めない事もあるという事を知っておく事は必須でしょう。

ただ、その一方で、院内分割制度を導入している歯科も多いですから、それを使うという方法もあります。

院内分割とは早い話、毎月少しずつ歯医者さんに直接治療費を支払う方法で、実は何を隠そう、これが一番お得。何と言っても歯医者さんと患者さんとの直接取引ですから、手数料に該当する金利がかかりません。もちろん、互いの信頼関係で成り立つ契約で、信用情報をあれこれ調べられる事もない訳です。さらに、月々の支払いは全て、医療費控除の対象になります。

ただし、歯科の分割制度を利用する場合、治療開始から治療終了までに全額を納付する必要があります。つまり、治療期間イコール支払い期間という事で、1年半から長くても3年程度で完済しなければなりません。そうなると、100万円の矯正費用を払う場合、月々の金額は最低でも2万7,000円。治療期間が短くなればなるほどアップし、5万円以上になる事もあります。そう、実は十分デンタルローンの審査に通るだけの収入がないと難しかったりもするのです。

歯列矯正のためのローンが組めない可能性がある場合、どうすればいい?


という事で、一口に歯列矯正のためのローンが組めないと言っても、その理由は様々。自分自身の力量だけではどうしようもない場合もあります。でも、歯並びを整えてコンプレックスを克服し、明るい未来を切り開きたい。そういう人は少なくないはずです。そこで、どうすればいいかを改めて考えてみましょう。

まず、金融会社の出すデンタルローンと銀行の出すデンタルローン、どちらがおすすめかと言われれば、個人的には前者の方を支持します。理由は簡単、全国対応でかつ、低金利だからです。

確かに、以前は全国どこからでも申込み可能で、実質年率2.5%~7.5%という好条件のデンタルローンがスルガ銀行から出されていました。けれど、あれこれ騒動のあったスルガ銀行のローン商品だけに、今は新規契約を停止しています。そのため、全国対応となると、都市銀行や新たな携帯の銀行しかなく、実質年率は6%から8%といったところでしょうか。

すでに自行での住宅ローンや自動車ローンなど、かなりの取引実績があり、金利優遇されれば3%台で借り入れ出来る事もあるにはありますが、ごくまれな話で、特に新規となると、それほど低金利とは言えません。加えて、地銀や信金の出す低金利の銀行ローンは、居住地や勤務地が自行の営業圏内にある事が絶対条件です。

それに対し、信販会社やファイナンス会社は常に全国対応。しかも、実質年率4.5%や3.9%の固定金利というところもあります。歯列矯正ほどの高額のローンとなると、この金利は魅力です。当然、金利が低ければ低いほど、月々の返済額は少なく、何より、最終的な支払総額に大きな差が出る事は言うまでもないでしょう。

ちなみに、年利3.9%で100万円の借入をし、7年で返済する場合、月々の支払金額は1万3,600円。総額114万4,317円となります。それが年利7%になると、月々の支払金額は1万5,000円。総額なんと、126万7,785円にもなるのです。

ですが、たとえ年利7.0%でも、使途自由なフリーローンに比べれば間違いなく低金利です。さらに、クレジットカードのリボ払いや消費者金融のカードローンに比べれば半分以下の金利ですから、利用する価値は十分あります。特に、特定の金融会社のデンタルローンを使いたいためだけに遠方の歯医者さんに通う交通費や手間を考えると一長一短。ここはまず、自分の行きたい歯科医院で使えるローンを探す方が利口かと思われます。

次に、信用面ですが、確かに、過去に一度でもカードの支払いや借金返済を延滞した事があれば、金融事故を起こしたとして情報センター等に記録されています。ただし、その後にそうしたトラブルを繰り返していなければ、半年程度でクリアされますから、デンタルローンの審査に支障を来す事はないでしょう。また、きちんと債務整理を終えていれば、5年から10年程度で時効が成立しています。しかも、その点は個人信用情報機関に申請する事で確認出来ますので、気になる方は事前に調べられる事をおすすめします。

問題は、その信用情報自体が情報機関に登録されていない現金生活主義者です。この場合は、事前に携帯電話を分割払いで購入するか、クレジットカードを作り、通信費や公共料金をカード払いにするなど、ライフスタイルがなるべく変わらないところで信用情報を作るのがコツ。特に、デンタルローンを出している金融会社や金融機関のグループ系カードを作るのがおすすめです。

なお、目下多額の借金を抱えている人については正直、これ以上借入を増やす事で自分で自分の首を絞める事にもなりかねません。ここはやはり、しばし先送りし、まずは借金返済に専念する事。そうすれば、それが信用度をアップし、確実にデンタルローンを組める日がやって来るものと思われます。

最後に、収入面ですが、これについては、保証人を立てる事でカバー出来る金融会社や金融機関も少なくありません。また、親が子供のために、あるいは、子供が親のためにローンを組む事も出来ます。特に治療を受けるのが未成年者や学生であったり、年金生活している高齢者の場合は、この方法をおすすめされる事になるでしょう。まれにですが、姉が妹のために、弟が兄のためにという形で、兄弟姉妹が一役買って出られる事もあります。

と、一見、自分はローンを組んで歯列矯正をするのは難しいんじゃないかと思われるような人でも、あれこれ方法はあります。まずは一つ一つ検討し、必要とあらば、家族や歯科医に相談する事が大切でしょう。