一生に一度の矯正治療|歯医者さん選び その方法で本当に大丈夫?【矯正歯科マップ】

気になる歯の矯正の期間と費用はどのくらい?


歯の矯正はズバリ、お金と時間の掛かるもの。そういうイメージをお持ちの方は少なくないだろうと思われます。その上、目立つ、恥ずかしいという事もあって、歯並びの悪さが大きなコンプレックスとなっていても我慢している人が圧倒的多数。それが日本の現状です。

事実、歯科矯正には最低でも1年半以上、長い人になれば10年以上かかります。なぜなら、実際に歯を動かす動的治療に加え、事前の念入りな診断と検査、そして、治療終了後の保定処置が必要不可欠だからです。

因みに、インターネットなどでよく矯正期間として上げられているのは動的治療期間の事で、1年から3年と言われています。少なくとも、その間は、あの大がかりな装置を付けて生活しないといけないのですから確かに大変。人目にも付きます。ロボットみたいだと、冗談交じりにからかわれる事もあるでしょう。

おまけに、歯の矯正は初診でいきなり動的治療開始なんていう事は100%なく、まずは現状を見ながら先生と相談。大まかな治療方針を決めた後、精密検査をしてから正式な治療計画が立てられます。

という事で、初めて矯正歯科を受診してから本格的な治療開始までの平均期間は1~2ヶ月。ただし、検査の結果次第で治療の期間や費用は大きく変わります。たとえば、虫歯や歯周病が発覚すれば、先に完治させる必要があって、歯や歯茎の状態によっては、この時点ですでに半年から1年かかる人もいる訳です。

さらに、矯正装置をはずした後、歯が元に戻るのを防ぐための保定治療が必須で、これが半年から2年。そうなると、どんなに早く見積もっても2年近くはかかる事になり、長くなれば5年以上となります。

加えてもう一つ、検査の結果、歯並びや噛み合わせの悪さが顎変形症などの疾患に起因するものだと分かれば、動的治療終了後に顎の骨を削り、ボルトやプレートで固定するなどの外科手術が必要になります。その後、術後矯正として半年から1年半、再び微調整をし、保定治療に入るため、否が応にも6年以上かかる訳です。

また、費用の方も、前歯だけとか、上の歯だけといった部分矯正なら50万円程度で収まる事もありますが、噛み合わせを考えると、中々そうも行きません。やはり全体矯正が望ましいという事で、どんなに安く見積もっても70万以上、高くなれば120万を超える事もあると思っておいた方が確かです。

というのも、治療費も治療期間と同様。やはり装置料だけという訳にはいかず、治療開始までのカウンセリングや精密検査、もちろん、保定処置で使う固定装置にもお金はかかる訳です。それに伴う受診料も付帯する事を考えると、これまた、100万円を超えても致し方のないところだと納得せざるを得ません。

しかも、歯科矯正の治療費や治療期間というのは、大人だから高いとか、子どもだから短いというものではなく、特に費用については大人も子供もほぼ同等。さらに、治療期間については、むしろ小児矯正のほうが長期にわたるくらいです。

ただし、先のような顎の疾患があり、外科的治療を伴う場合は「外科矯正」となり、健康保険が適用されます。また、保険適用外の通常の歯科矯正でも、医療費は医療費。医療費控除の対象となり、税金の還付が受けられる事を知っておかれる事も大切でしょう。

さらに、歯科矯正をとりまく技術や装置の進歩は凄まじいもので、近頃は人目につきにくい治療法や治療期間を短縮出来る方法も登場して来ました。その一方で、治療費用については、長期間かけ、少しずつ支払い出来るシステムもあって、ストレスを極力軽減出来る体制が整いつつあります。そこで今回は、そうした歯列矯正の治療期間や支払期間を改めて検討してみましょう。

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歯の矯正の期間は個人差が大きい


今や、パソコンやスマホでちょいとググれば何でも分かる時代。歯の矯正についても、様々な情報を収集する事が可能です。ただ、歯科矯正の治療期間と治療費については、100%明確にする事は不可能であると言っていいでしょう。なぜなら、個々の口の中の状態と体力・体調によってあまりにも個人差が大きいからです。

そのため、歯の矯正にベースとなる治療期間や料金は存在しないと見るのが賢明で、専門の矯正歯科でも明記していません。たとえ3年だの、80万だのと書かれていても、これは目安ですとか、一例ですといった補足が必ず添えられています。

実際問題として極端な話、虫歯が1本もない人なら、早々に治療方針を決め即実行出来ますが、虫歯が1本でもあればそうは行きません。その加療を盛り込んだ治療計画を立てる必要があります。また、虫歯や歯周病がなくても、抜歯をして空間を作るしかないとなれば、その処置を含む必要がある訳です。当然、出来上がる治療計画は、何の事前処置もない人に比べ、時間とお金がかかるものとなっています。

ただ、こうした矯正開始に向けての必要な治療と期間、費用はカウンセリングと検査で大まか分かります。虫歯があれば治療し、どうしても邪魔な歯があれば抜けばいいだけで、問題はその後の動的治療と保定治療です。

元々1ヶ月で動かせる歯の範囲というのは0.5ミリから1ミリ。従って、2ミリ動かすのに2ヶ月から4ヶ月程度かかる事になります。これだけでも気が遠くなりそうですが、ねじれて生えている歯や倒れている歯があれば、回転させたり起こしたりする工程も必要となり、難易度が高くなる訳です。その分、間違いなく時間がかかります。

ではでは、一体全体どうして歯はワイヤーやマウスピースで引っ張ったり抑えたりするだけで移動するのでしょうか? よくよく考えてみれば不思議だと思いませんか?でも、その原理は意外と簡単。実は歯の根っこは骨で覆われているお陰で安定しているだけで、その骨の支えがなくなれば、たちまち不安定な状態に陥ります。重度の歯周病になると歯がぐらぐらし、やがて抜けるのは歯周病菌たちに骨を溶かされるからです。

そこで、一旦故意に骨を溶かし、右でも左でも、前でも後ろでも自由に動ける状態になった歯に再び理想の位置と向きで骨を作り、固定するのが矯正治療。そして、それを促すのが歯根膜とワイヤーやマウスピースのような器具です。

歯根膜は歯の根っことそれを支える骨の間にある薄い膜で、クッションの役割を果たすため、弾力性を持っています。つまり、右を向いている歯を左に向けようとワイヤーなどで引っ張ると、右側の歯根膜は伸び、左側の歯根膜は縮む訳です。縮んだ左側の歯根膜は伸びようとします。けれど、そこには骨があって邪魔になる。ならば、溶かすよりしかたがないでしょう。

一方、伸びた右側の歯根膜は縮みたいのですが、支えとなる骨がないため縮めません。ならばと、こちらは骨を作る事にします。そうして、それを繰り返す事で、徐々に不適切な位置や方向にある骨が溶かされ、正規の位置や方向に新たな骨が作られると歯は移動したり方向転換したり出来るというからくりです。

骨を溶かすだの、作るだのと何だか人聞きが悪いようですが、心配ご無用。正しくは、骨を溶かす事を吸収、骨を作る事を再生と呼び、まさに私たち人間の持つ治癒力です。従って、歯科矯正は決して強引な治療法ではありません。しかしながら、自然治癒力に委ねるところが大きいだけに、個人差が大きいというデメリットを持っていると言えるでしょう。

当然ですが、体力があって再生能力が高ければ高いほど早く進みます。けれど、その反面、仕事をしながらの治療という事で、疲労やストレスが貯まっていれば、体調不良や体力不足により、スピードが衰えがちです。そのため、いくら最適な治療方法であっても、中々思った通りには事が運ばず、どうしても予定より延長されてしまう事が多いのです。よって、明確な治療期間を定める事など出来ないという訳です。

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歯の矯正の期間は大人より子どものほうが短いとは限っていない


骨の吸収と再生という私たち人間が持つ天性の力をフル活用するのが歯科矯正です。となると、加齢と共に再生能力は衰えますから、若年層ほど優位になります。よく、歯の矯正の期間は大人より子どもの方が短いと言われるのはそのためでしょう。

しかしながら、小学校に入ってすぐぐらいから歯医者さんに通い始め、卒業するころにようやく治療終了という子も大勢います。というのも、小児矯正の場合、永久歯のお目見えし始めた混合歯列期にプレートと呼ばれる器具を装着して顎の骨格を作り、永久歯列がほぼ整ったころにマルチブラケット装置を使って本格的な矯正治療を行う事が多いからです。

ただ、実際には、それぞれ2年前後の治療で、その間に1年から2年のブランクがあります。そこで、前者を第1期治療、後者を第2期治療と呼び、間に経過観察を挟む形ですが、トータルすると10年くらい通院する子も珍しくないのです。

という事で、歯科矯正に適した年齢というのも個人差があって、早期治療が必ずしも望ましいとは限っていません。確かに、第1期治療を施す事で、第2期治療が容易になる可能性は高く、顎関節症や受け口を改善したり、防止出来るというメリットもあります。

しかしながら、特に顎の発育や上下の歯の噛み合わせに問題がないのであれば、第1期の治療は無用。第2期治療だけで十分というのが専門医や専門家たちのオーソドックスな見解で、両親が一方的に矯正治療を勧めようとするのはNGです。まずは子供の口の中の状態や顎の形状を見て、医師に正しい診断をしてもらう事が大切なのです。

そんなこんなもあって、歯科矯正に最も適した年齢は強いて言えば18歳前後、高校生から大学生でしょうか。というのも、このくらいになると骨の成長も一段落し、完全に大人の顔が作られます。大人の顔が作られたという事は、顎の骨格が固められたという事で、「マウスピース矯正」や「インプラント矯正」など、高度な治療法を選択する事も可能になるからです。また、体力も十分で、骨の再生力も強く、面白いほど順調に治療を進められるでしょう。

ただし、この頃は一番自由奔放で、遊びと勉強だけでなく、バイトに恋愛にととにかく多忙な年代でもあります。そのため、セルフケアを怠り、想定以上に治療期間が延びる人も少なくありません。矯正を始めた以上は自分で自分に責任を持つ事が必須となります。ですが、これは大人としてとても大事な事で、それを社会に出る前に身に付けられるという点でも、このお年頃の歯科矯正はベターと言えるのではないでしょうか。

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歯の矯正の期間は自分の努力次第で短縮出来る?


歯科矯正で歯が移動する原理は上記の通りです。となると、矯正装置で引っ張る力をアップすれば歯根膜が一段と奮起し、骨の吸収と再生が活性化されるのではないかという気もしないでもありません。そして、骨の吸収と再生が活性化し、高速化出来れば、間違いなく治療期間を短縮出来るはずです。

しかしながら、相手は機械や鉄のような強固な物体ではありません。デリケートな生身の身体です。あまりにも強く引っ張られたり押さえつけられると、負荷のかかった部分がダメージを受け、壊死してしまいます。幸いにも、ここでもまた再生能力が作動し、復活する事は可能ですが、当然、その作業が優先となり、骨の吸収と再生作業は後回しにされてしまう訳です。

加えて、余計な部分の骨まで刺激し、一度に吸収が進むと歯を失うリスクもあります。結果、益々治療期間が延びる事になり、無駄な抵抗どころか、足を引っ張るだけ。失敗しかねないため、少しずつ少しずつ気長に動かして行くしかないのです。という事で、矯正の期間を強引に短縮する事は難しいと思っておいた方が無難でしょう。

ただし、自分の努力次第で延長戦に入るのを防ぐ事は出来そうです。特にマウスピースを使った「インビザライン矯正」や「アライナー矯正」の場合、食事の時にはずし、歯磨きした後に再び装着するという作業を一日のうちで何度か繰り返さなければなりません。そうして、就寝時や勤務時間中、あるいは授業中も含め、日に16時間から18時間は付けておくのがお約束なのですが。

たとえば、酔っ払って帰宅し、そのまま朝まで爆睡してしまうと、その装着時間は大幅に減少する訳です。その分、歯の移動が遅れ、治療期間が延びます。ですので、食べたらはめるを徹底する事で、無駄な延長を防止出来る確率は上がるでしょう。

さらに、大がかりな矯正装置を取り外した後の保定治療で用いる固定装置「リテーナー」でも同じ事が言えます。こちらは歯が後戻りしようとするのを阻止する器具。就寝時のみの着用ですが、やはり付け忘れて寝る日が多いと、歯列が安定せず、いつまでたっても縁が切れなくなります。

また、最もオーソドックスな治療法であるマルチブラケット法については、こまめに通院し、力加減を調整してもらう事で、常に最適な吸収と再生が繰り返せます。実際、通院が4週間に一度と6週間に一度の医院では、全社の方が平均して半年から1年早く治療終了を迎えるというではありませんか。

そうなると、通院回数の少ない医院の方が一見、楽で無駄な診療費も要らないように見えますが、実は逆。治療期間が延びる事で、最終的には同じくらいか、それ以上の来院回数となり、同じくらいか、それ以上の費用がかかる事になるケースもしばしばです。

そして何より、暴飲暴食や二日酔いが続いたり、風邪を引いたりすると体調不良に陥り、骨の再生能力も衰えます。そう、歯科矯正においては、浅はかな考えや自らの不摂生が治療期間を延ばす大きな要因になっているのです。

という事で、矯正はやはり、専門の医師との信頼関係のもと、しっかり自覚を持って正しく治療を続ける事が大切です。極力短期間でと思うのであれば、治療を受ける医療機関選び、ドクター選びもまた重要になるでしょう。

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歯の矯正の治療期間と治療費を快適に乗り切る方法あれこれ


冒頭にも書いたように皆さん、歯の矯正というと、時間がかかる、お金がかかる、見た目が悪いといったマイナスイメージの方がどうしても先行してしまい、歯並びは気になっていても中々第一歩を踏み出せないようです。確かに、ある程度の治療期間を要する事はしかたありません。しかも、ついつい当初の予定より長引いてしまうのが一般的です。

ただ、人間というのは実に困った生き物で、ストレスが多ければ多いほど時間を長く感じます。そして、時間を長く感じれば感じるほどストレスが溜まるという悪循環を繰り返す訳です。結果、悪いと分かっていても不摂生したり、約束を守らなかったりで治療期間が延びてしまう人が圧倒的多数なのでしょう。そこで昨今は、そうした患者さんのストレスを少しでも軽減出来る矯正法があれこれ開発され、人気を集めています。

たとえば、従来のメタルブラケットからプラスチックやセラミック製の審美ブラケットにする事により、見栄えが格段に良くなります。もうロボットみたいだなんて言われません。さらに、マルチブラケット自体を歯の裏側、舌側に装着するリンガル矯正なら、仮に金属製の装置でも殆ど目に付かないでしょう。

ただ、裏側矯正は器具に舌があたって食事がしにくい、滑舌が悪くなるなどの弱点を持っています。また、表でも裏でも、口内炎のリスクが常に付き纏うのがマルチブラケット法の辛いところです。そして、痛みもあります。

という事で、そうした苦痛を改善すべく編み出されたのが「セルフライゲーションブラケット」。従来のマルチブラケット装置に比べ、締め付けが緩やかで摩擦が弱いのにも拘わらず、歯をスムーズに動かせる優れもので、独特の痛みや窮屈感を大幅に緩和してくれます。

さらに、超薄型で透明なマウスピースを使ったインビザライン矯正やアライナー矯正になると、ともすれば、自分自身でも矯正中である事を忘れそうになるくらい。痛みや締め付け感どころか、殆ど違和感もなく、誰がどこから見ても自前の歯です。矯正している事を見破られる心配もなしで、肉体的ストレスも、精神的ストレスも確実に軽減出来ます。

しかしながら、自己管理が出来なければ失敗しかねないのがマウスピース矯正で、ある意味実は最もハイリスクな方法なのかも知れません。という事で、そういう自己管理の苦手な人のために編み出されたのがインプラント矯正。これは歯茎の中に固定装置を埋込、患者の協力なしでも早期矯正を実現する画期的な施術です。

歯茎の中に器具を埋め込むなんて聞くと一気に冷や汗が出て来そうですが、痛みや腫れがあるのは術後のみ。その後はずっと快適に矯正ライフを続けられると言います。とは言え、インプラント矯正はまさしく最新の矯正術で、まだ経験者も少なく、体験談なども殆ど掲載されていません。そのため、不安な方も多いだろうと思われます。

そして何より、こうした先進の治療法で最も怖いのが費用。実際問題、メタルブラケットに比べ、プラスチックやセラミック製のブラケットは料金が高く、セルフライゲーションブラケットになるとさらに高価になります。

また、裏側に器具を装着するリンガル矯正は高度な技術が必須で、矯正専門の医師しか出来ません。その分、技術料が増します。マウスピース矯正やインプラント矯正も同様で、費用面ではセルフライゲーションブラケットと互角。裏側矯正よりは若干リーズナブルなくらいです。

しかしながら、費用については歯科治療費専用の「デンタルローン」を組む事で、治療が完全に終わった後でも支払い続けられます。短期でも5年、長くなれば10年なんていう商品もあって、100万円かかったとしても、月々2万円程度で収まる事が大半です。

さらに、デンタルローンを使った治療を推奨している医療機関では、それに合わせ、検査からリテーナーまで一括で計算し、セット価格にしてくれたりもします。こうなれば、もうこっちのもの。治療期間が延び、通院回数が増えても安心です。追加で料金を取られる心配がありません。

という事で、歯科矯正は時間もお金もかかりますが、それなりに快適に乗り切る方法も多々ある訳です。それらを上手に利用してコンプレックスを解消するというのはいかがでしょうか。

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