デンタルローンで歯列矯正し、楽天ポイントを貯められるか?


今、大人になってから歯列を気にし、歯科矯正する人が増えています。治療に掛かる期間は、歯と歯茎の状態や施術方法などによっても異なりますが、概ね2年から3年、聞いただけでも気が遠くなりそうな長期です。

しかも、小児矯正のように、取り外しの利く矯正装置ではなく、ずっと装着したままの器具をしようするため、思いのほか肉体的負担が大きいのが成人矯正。そこへ多額の矯正費用という経済的負担も覆い被さります。

とは言え、今は極力目立たない装置を使った施術が主流となっていて、費用についても、ローンの使える医院が増えています。そう、歯列矯正も昔に比べれば随分気軽に出来るようになったのです。さらに、たとえ矯正歯科であっても、歯の治療をするとなれば、れっきとした医療行為です。医療費控除の対象となり、サラリーマンやOLなら税金の還付も受けられます。こうした情報が一般市民にも行き渡り、矯正しようという人の数を増やしているものと思われます。

ただし、歯科医院が取り扱うローン商品は歯の治療費専用の「デンタルローン」と呼ばれる商品。まあもっとも、歯医者さんは歯の治療以外の事をしない訳ですから、これで十分なのでしょう。その点は何ら問題ありません。ただ、困った事に、利用出来るローン会社まで決まっているため、金利や最高限度額、ローン審査の難易度などを比較検討して選択する事が出来ないのです。

おまけに、全国的に見れば、まだまだローン会社や信販会社と提携している歯科医院が少なく、掛かり付けの歯医者さんでデンタルローンを使って矯正治療を受けられないなんていう事はしばしば。そのため、貯金をはたいたり、親に泣きついて治療費を工面している人が圧倒的多数だろうと思われます。また、貯金がない、頼れる人がいないという場合には、手持ちのローンカードやクレジットカードのキャッシングでお金を借り入れし、支払う人も珍しくありません。

なにもそこまでしなくてもと思われるかも知れませんが、前述の通り、歯並びを整える事は、経済的負担も肉体的負担も軽くないだけに、早ければ早いほど楽です。しかも、歯列矯正は単に見た目を良くするだけでなく、健康面でも多大なる効果を発揮するもので、やはり出来るものならした方がいいというのが専門かたちの見解。ましてや、金融機関や金融会社からお金を借りるのなら尚更の事、若いうちの方が優位でしょう。特に独身の方なら、月々の返済額が少々多くても何とかなるというもので、短期間に完済出来ます。それだけ金利や手数料も安く済むのです。

ただ、どうせ借入するのなら、少しでもお得になる会社の少しでもお得になる商品を選びたいものです。金利はもちろんの事、無利息期間の有無も重要ですし、審査基準も大切なチェックポイント。スーパーホワイトでも、信用情報に少々難ありの人でも通る可能性ありなんて言われれば飛びつきたくなります。

あと、ポイント還元も是非とも欲しいサービスの一つでしょう。実際、ポイントについては、Tカードをお持ちの方なら泣いて喜ばれそうな融資額200円につきTポイント1ポイントが貯まるデンタルローンもあります。

ならば、同じく人気のポイントサービスを持つ「楽天」はどうでしょうか? 楽天グループ内には銀行もあれば、カード会社もあります。しかも、楽天カードは比較的審査の緩いクレジットカードとして有名。多くのサービスにポイント還元も付帯しています。そこで今回は、楽天グループの銀行や信販会社にデンタルローンがあるのかないのか? 歯の治療で楽天ポイントを貯める事が出来るのかどうか? を調べてみました。

楽天銀行に歯の治療費を賄うデンタルローンはあるのか?


歯列矯正やインプラントなど、保険が利かず、高額な費用を要する歯科での治療。そんな歯の治療費を賄うための貸付が『デンタルローン』です。取り敢えず銀行や信販会社からお金を借りて歯科医院に一括で支払い、後から少しずつ返済して行くという金融商品。今ではサラリーマンやOLを中心に、多くの人が利用して高度な矯正治療などを受けています。

さらに、金融機関によっては、親や配偶者が申し込む事で専業主婦はもちろん、子どもに小児矯正を受けさせる事も出来、密かな売れ筋金融商品の一つになっている銀行もあるようです。また、信販会社やクレジットカード会社も力を入れているローンの一つ。実質年率5%を切る固定金利のデンタルローンを売り出す会社もあれば、利用する事でTポイントが貯まるなんていう商品もあります。

ではでは、泣く子も黙る「楽天」グループの一員である「楽天銀行」はどうでしょうか? Tポイントが貯まるローンがあるのなら、楽天ポイントが貯まるローンがあってもいいじゃない。あって当たり前でしょうと楽天会員なら言いたいところでしょう。

さらに、審査や金利、上限額の面などで優遇され、間違いなくメリットの大きなデンタルローンがあれば嬉しい。これが本音だろうと思われますし、実際にありそうな気がします。ところが、FXや外貨預金など、投資や資産運用関連商品にはただならぬ力を注いでいる楽天銀行ですが、お金を貸すローン商品となると、これがそれほどでもなさそうなのです。

そもそも楽天銀行はその昔、代議士などの偉い人たちが中心になって設立したインターネット専業銀行「Eバンク」が前身で、長年、個人向け融資というのはやっていませんでした。ですが、今は低金利が売りのカードローン「楽天銀行スーパーローン」というのがあって、住宅ローンや教育ローンも取り扱っています。ただし、正式な自動車ローンすらない銀行だけに、デンタルローンなど存在するはずがないという感じです。

とは言え、使途を定めて融資する「目的別ローン」や「目的型ローン」と呼ばれるローン商品はあります。多くの金融機関では、デンタルローンはこの目的別ローンの一種として販売していますから、当然、楽天銀行でもあるとすればここでしょう。

しかしながら、楽天銀行の目的ローンは現状、たった2つしかありません。一つは、挙式や新居に必要な家財道具の購入資金を用立てる「ブライダルローン」、もう一つは、海外旅行や留学するための資金を用立てる「トラベルローン」です。よって、残念ながら、楽天銀行には歯科治療費を用立ててくれるデンタルローンはないものと見られます。

楽天銀行のカードローンはデンタルローンとして使える?


次々と傘下企業が増え、商品UPされて行く楽天グループですが、今のところ、ローン会社というのはありません。楽天グループ内で金融機関は楽天銀行のみ、金融会社は楽天カード株式会社のみです。しかも、楽天カードはクレジットカードのみで、ローンカードは発行していませんから、ローンを組むとなると、楽天銀行頼みになる訳です。

楽天銀行のローンと言えば「スーパーローン」。特に、年利1.9%~14.5%という使途フリーのカードローンが有名です。お金の使い道が自由という事は当然、歯の治療費に使っても何ら問題なし。しかも、楽天のプラチナ会員やダイヤモンド会員なら、かなり審査優遇される可能性が高く、契約時に大量の楽天ポイントがもらえるキャンペーンもよくやっています。また、期間限定ながらも、初回利用から30日間無利息という銀行カードローンとしては異例のサービスを実施したり、金利半額にしたりと、タイミングによってはかなりお得度の高いローン商品です。

ただし、金利面では良くもなく、悪くもなくといったところでしょう。実際問題、利用限度額100万円までの契約の場合、最高利率の14.5%が適用されます。確かに、消費者金融のカードローンやクレジットカードのキャッシングに比べれば低金利ですが、他の金融機関や信販会社の出す正規のデンタルローンに比べれば、高金利である事は否めません。この点が、フリーローンと目的別ローンの最大の違いです。

住宅ローンに代表されるように、車の購入資金や子どもを進学させるための資金など、資金使途を定めた融資は目的型ローンと呼ばれ、少々手続きや審査に時間を要するものの、どこの金融機関でも概ね、実質年率10%前後までで貸し付けしています。楽天銀行も例外ではありません。例えば教育ローンの場合、実質年率3.900%。さらに、変動金利型や提携大学への進学費用となると、金利はより一層優遇されます。

その代わりに、申し込みに際しては使途証明書類として見積書や請求書が必要で、且つ、融資後には領収書の提示が求められます。今流行の「おまとめローン」や「借換ローン」と呼ばれるような金融商品でも目的別ローンの一種ですから、例外ではありません。借入のある消費者金融やローン会社の残高が分かる資料を出して融資を受け、後に完済した事を証明する書面が必須となります。

ですが、そういう書類を準備したり出したりといった手間が不要なのがフリーローン。それなりの魅力はあります。まず、フリーのカードローン審査はとにかく早い。今は銀行系の場合、即日融資というのはシステム上不可能になってしまいましたが、ほぼ3日以内には回答が出されます。そして、審査に通っていれば、即融資も可能。登録した銀行口座に必要な額を振り込んでくれますから、ローンカードが届くまでにお金を手にする事も出来ます。

加えて、正規のデンタルローンは、矯正歯科の出した見積もりに明記されている以上の金額は1円たりとも出されませんが、フリーローンならプラスの借入もOK。仮に矯正費用が80万円でも、100万円借りる事により、交通費なども賄えるでしょう。また、消費者金融からの融資ではありませんので、総量規制の対象外となります。

そして、最大の違いは、予め設定された利用限度額の範囲なら、自由に借りたり返したりを繰り返せる点です。これは使途フリーのカードローンならではの利点。さらに、楽天銀行のスーパーローンは、借入額に応じて楽天ポイントが付与されます。100万円借りれば3,000ポイントも付与されるのでバカには出来ません。また、入会時にもまとまった楽天ポイントがもらえます。ですので、いざという時のお守りとしても、この機会に契約しておくのはありかと思われます。

人気のクレジットカード「楽天カード」はデンタルローンとして使える?


楽天ポイントが貯まるクレジットカード「楽天カード」。ではでは、このカードを使ってデンタルローンのようにお金を工面し、楽天ポイントの還元を受けたり、少しずつ返済して行く事は出来るのでしょうか?

まず、クレジットカードの使い方としては大きく分けて2つ、ショッピング枠を使ったお買い物と、キャッシング枠を使った借入があります。ショッピング枠については、治療を受ける歯科医院次第と言わざるを得ないでしょう。というのも、通う矯正歯科がカードと同じ国際ブランドの加盟店になっているかどうかで使用の可否が決まるからです。

例えば、手持ちの楽天カードの国際ブランドがVISAで、治療を受ける医院がVISA加盟医院であれば利用出来ます。今は大きな病院なら、VISAやJCBなどの加盟店になっている事も多いので、大学病院や総合病院の歯科を利用する場合は、かなりの高確率でクレジットカード払いが可能かと思われます。そして、決済時に分割払やリボ払いを選択する事で、デンタルローンのように毎月少しずつ返済して行くというのもありでしょう。

分割払の最大回数は36回、3年なので、仮に矯正費用が100万円だった場合、利息も含め、月々の支払い額は3万円程度になるかと思われます。正直、これは厳しいとおっしゃる方も多そうですが、リボ払いなら大丈夫。毎月1万円なら1万円、1万5,000円なら1万5,000円と、自分で決めた低額を払い続ければOKです。

さらに、キャッシング枠も同様に、毎月リボ払いで返済する事が可能。しかも、キャッシングは国際ブランドどころか、医院のクレジットカードの使用可否も問いません。提携ATMから自分でお金を引き出し、現金払いする形になるので、どんなに小さな歯科医院でも問題なしです。

ただし、楽天カードのキャッシングは、業界でもトップクラスの高金利。一律18.0%で、消費者金融の最高年率と同じです。

加えてもう一つ、ショッピング枠の利用は常時楽天ポイントの還元対象になりますが、キャッシング枠は原則として対象外。初回利用時やキャンペーン実施中は利用額に応じて楽天ポイントが付与される事もあるものの、タイミングが悪ければ0ポイントという事も十分有り得るので要注意です。

しかしながら、楽天カードは数あるクレジットカードの中でも、最もスーパーホワイトやホワイトに優しいクレカと言われています。生まれて初めてクレジットカードの申し込みをするという人はもちろん、以前に金融トラブルを起こした経験のある人でも、比較的審査に通る確率が高く、過去の事故情報がクリアされたかどうかは、楽天カードを申し込めば分かるとまで言われているほどです。

ですので、借入どころか、未だクレカも持っていないという人は、信用情報機関への情報と実績をアップする手段の一つとして申し込みを検討されてもいいでしょう。その後に銀行や信販会社に申込みすると、各種ローン審査に通りやすくなります。もちろんデンタルローンでも同様です。

楽天銀行のカードローンと楽天カード、デンタルローンとして使うのならどっち?


楽天グループのローン商品と言えば楽天銀行の「スーパーローン」、クレジットカードと言えば楽天カード株式会社の「楽天カード」です。どちらもそれなりに高額な歯の治療費を賄う時には役立ちそうです。

ならば、どっちがお得なのかと言われれば、これが微妙。必要な金額と審査基準を考慮し、自分に適した方を選択するよりないでしょう。ただ、やはり基本的に歯科治療費専用のデンタルローンに代わるものとなれば、楽天銀行のスーパーローンにはなるかと思われます。

というのも、楽天カードの場合、初めて契約するとなると恐らく、ショッピング枠の上限が50万円。キャッシング枠は10万円から20万円といったところでしょう。ですので、インプラント1本くらいならショッピング枠で賄えそうですが、成人矯正となるととてもじゃないがという感じです。

しかしながら、インプラントや金歯の使用など、ショッピング枠の範囲に収まる額の治療であれば、カード払いの出来る医院で治療するのも一つの賢い策。たとえ分割払やリボ払いを利用したとしても、金利にあたる手数料は15%程度で治まります。それに対し、キャッシング枠の金利は18%と、3%も高いのです。やはり借入するのなら、楽天銀行のスーパーローンの方が断然お得でしょう。実質年率14.5%です。

しかも、楽天銀行のスーパーローンでは、多くのサラリーマンやOLが利用限度額100万円の契約をしています。これだけあれば、まあそれなりの歯列矯正は受けられそうです。

ただし、楽天銀行のスーパーローンに申し込むには、必ず安定かつ継続した収入を定職によって得ている必要があります。収入証明書の提示も必須となっていて、勤務先に在籍確認の電話も入りますから、ごまかそうなんて考えない方が賢明です。そして、その収入証明書を見ながら、年間の返済額がいくらくらいまでなら無理がないかという返済比率を検討し、実際の利用限度額が確定されます。さらに、既存の借入があれば、それも加味されるため、必ずしも100万円の融資を受けられる訳ではありません。

そうなると、収入証明書の提出が不要の楽天カードの方が、高額の支払を出来る可能性も出て来ます。楽天カードでは原則、キャッシングの利用枠が50万円以内なら収入証明書の提出不要。しかも、ショッピング枠とキャッシング枠が別扱いなので、それぞれ50万円で契約出来れば、総額100万円の利用が可能になる訳です。ですので、カード払いOKという歯科なら、一部カード、一部現金で支払えるように掛け合う事で一件落着となる事もあるでしょう。

尚、楽天銀行の各種ローン審査も、楽天カードの入会審査も、楽天カード株式会社が一手に引き受けています。ですので、楽天カードの審査に通る人は、かなりの高確率でスーパーローンの審査にも通るものと思われます。もちろん、逆の事も言える訳です。

ただし、あくまでも高望みしすぎない事が大事。借りたお金は返さなければならない事をしっかりと認識し、身の丈に応じた希望限度額を示すようにしましょう。そうする事で一層、審査に通りやすくなります。