銀行やローン会社のデンタルローンに審査基準はある?


インプラント治療や矯正治療など、保険適用外となる歯科治療費を融資してくれるのがデンタルローン。信販会社やローン会社、クレジットカード会社、さらに、今では多くの銀行が目的ローンの一種として取り扱っています。金利は実質年率3%から12%、借入限度額は最高300万円から800万円といったところでしょうか。

限度額については一律、申込者の返済能力を左右する収入や既存の借入残高、信用度によって決まります。そのため、負債がなく、収入も信用度も高い人は、どこで申し込んでも高額融資を受けられそうです。しかも、返済能力が高く、信頼度も高いと保証会社の保証料も安く済みますから、その保証料を賄う金利も安くなるのがこうしたローン商品の仕組みです。そこで、融資額50万円の契約よりは融資額100万円の契約、融資額100万円の契約よりは融資額200万円の契約というふうに、借入額が高くなればなるほど金利は低くなるのです。

そう、単にお金を貸せるか貸せないかだけではなく、いくらまでなら貸せるか?金利をどのくらいにするのが妥当か?こうした事全てを判断するのがデンタルローンの審査基準です。よって、銀行やローン会社のデンタルローンに審査基準があるのかないのかと言えば、間違いなくあります。ですが、金融機関や金融会社による大差は少ないと見ていいでしょう。恐らく、A社の審査基準を満たす優良な申込者は、B銀行でも好条件の借入が出来るものと思われます。

とは言っても、残念ながら、これだけの条件を満たしていれば好条件でデンタルローンを利用出来るという明確な審査基準を明らかにしているところはありません。それどころか、100%審査に通るという保証のある人すら皆無なのが現実。極端な話、年収100万円のフリーターでも、通る人は通ります。その一方で、年収500万のサラリーマンやOLでも、通らない人は通らない。それが金融の世界です。

また、全ての人が100万円の治療費を借りられるとは限っていません。さらに、たとえ100万円の融資が受けられたとしても、全ての人が同じ金利とも限っていない訳です。そんなこんなを考えると、デンタルローンを使って歯科治療を受けたいという気持ちはあっても不安で、中々思い切れないという方も少なくないはず。そこで今回は、収入や収量状況、信用度、さらに、歯科医院の条件まで、デンタルローンの審査の合否や融資条件を決める様々な審査基準について考えてみたいと思います。


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金融会社や金融機関のデンタルローンの審査基準は大きく分けて3つ


歯科治療にはインプラントや矯正など、保険の利かない治療が沢山あります。そして、言うまでもなく、それらは高額治療となる訳です。そこで、そうした保険適用されない歯の治療費用を貸し付けてくれるのが『デンタルローン』でしょう。

今ではこれを利用して100万円を超える歯科矯正を受ける人も珍しくありません。毎月少しずつ治療しながら少しずつローン返済も進めて行くというのは、実に有効的な時間とお金の使い方だという考え方です。また、歯医者さんもそれをおすすめしてくれたりします。

ただし、これはローン審査に通らなければ話にならない治療計画。そして、そのローン審査には金融会社や金融機関が定める審査基準があります。全ての人が利用出来るものでもなければ、全ての人に有位な方法とも言い切れないのです。

現実問題として、最終的には申し込みしてみないと分からない訳ですが、審査に通りやすい人と通りにくい人がいる事は確かだと見られます。さらに、50万円程度のインプラントならOKでも、100万円を超える歯列矯正になるとNGとなってしまう人もいる訳ですが、こうした合否や限度額については、どこも審査基準は似たようなものでしょう。

そもそも、全ての会社や銀行のローン制度は、返済ありきで話を進めるものです。よって、まず何より、返済能力のない人、弱い人に多額のお金を貸す事は出来ません。また、過去に金融事故を起こしていれば、信用ならない人と判断される可能性大です。あるいは、すでに消費者金融などの多額の借金を抱えている人に、これ以上お金を貸し付ける事は首を絞める可能性を秘めている事になりますから、躊躇するのが親切というもの。

加えて、デンタルローンは自己投資という目的をサポートするための金融商品です。そこで、それをきっちり果たしてもらう事が条件という事で、その辺りも重要な審査要素になります。時に、どこの歯科医院で、どのような治療を受けるかによって、そのデンタルローンの審査基準を満たすか満たさないかが決まって来る事もあるのです。

という事で、デンタルローンの審査基準は大きく分けて3つ。まずは返済能力の有無を判断するための収入と就労状況。そして、信用情報を調べる事で、信用度とともに、既存の借金の有無も明らかにします。それプラス、治療の内容や治療する機関の条件という事になるものと思われます。

ではでは、どのような要件を満たしていれば返済能力や信用度、治療条件が優位になるのか? さらに、既存の借金がどのような影響を与えるのか?一つずつ具体的に見て行きましょう。

デンタルローンの審査基準1、返済能力と限度額


デンタルローンの審査基準は、ローン会社や金融機関によって微妙に異なり、概ね、満20歳から65歳までとなっていますが、中には満18歳から利用出来るところもあれば、満70歳まで申し込み出来るところもあります。

しかしながら、安定かつ継続した収入がある事というのが一様の絶対条件です。しかも、これは返済能力を判断する上で最重要視せざるを得ない点であるという事で、デンタルローンのような利用目的を定めた目的別ローンでも、使途自由なフリーローンでも同じです。定職を持っていて安定した収入がないと返済出来ない訳ですから、どんなローンも利用する事が出来ません。従って、有職者として所得のある事は各種ローン共通の審査基準です。当然、デンタルローンにも適用されます。

さらに、たとえ収入があっても、主婦のパートのように、月収8万円、年収100万円に満たないような状態で、100万円を超える治療費を全額借りるというのも難しいと思っておいた方が無難でしょう。確かに、矯正歯科での支払いは医療費控除の対象となります。即ち、医療費という事で、総量規制の対象外です。

とは言え、その治療費100万円を年利7.0%、60回払いで借入したとすると、月々の返済額は1万9,000円以上になります。月収の実に4分の1の金額で、これが5年間続くのですから考え物です。やはり最低でもこの半分、出来れば3分の1程度に抑えたいところではないでしょうか?

そこで、借入金額を30万円にすると、同じ年利7.0%の60回払いでも、月々の返済額は6,000円を切ります。これくらいなら何とかなるというのが多くの方の本音でしょう。という事で、たとえ総量規制の対象外であっても、年収の3分の1を借入限度額として定められます。従って、審査基準を満たすには、借入希望額をその範囲内に収める事がポイントなのです。

ただし、雇用形態については拘りがなく、パートでも、アルバイトでも、契約社員でも派遣社員でもOKというところが大半です。中には、非正規雇用や低所得者の場合、保証人を立てる事を条件としているところもありますが、学生や専業主婦でない限り、最低限の審査基準は満たしていると見なされます。ただ、年金受給者はNGというところが多いですから、やはり働いている事が大切なのだと思っておいていいでしょう。

特にスルガ銀行のデンタルローンが新規受け付けをしなくなった今、専業主婦や年金生活者が単身で審査基準を満たせる金融会社や金融機関は皆無となってしまいました。ですが、配偶者を保証人とし、その収入証明書を提示する事で受け付けてもらえる信販会社やローン会社はあります。さらに、審査基準を満たす家族が代理で契約出来る銀行もありますので、高額になる矯正治療の費用を何とかしたいという場合は、その方向で考えられてもいいのではないでしょうか。

デンタルローンの審査基準2、個人信用情報機関の情報


デンタルローンの審査基準、2つめは信用情報です。これもまた、銀行ローンや消費者金融のカードローンを申し込む際にも重要視されるポイント。しかも、単に共通する審査基準というのではなく、それらの情報が直接影響するので大変です。

そもそも信用情報というのは、個人信用情報機関に登録されている各自の金融情報で、銀行や消費者金融からの借入だけではありません。クレジットカードの支払い状況も含まれます。そのため、ただの一度も借金をした事のない人でも、クレジットカードを使っていいて、過去に引き落としが出来なかった事があれば要注意。金融事故を引き起こした事ありとなっている可能性があるのです。たとえ、単に口座振込が遅れただけというような悪意のない理由であってもです。

勿論これは、消費者金融や銀行カードローンの返済にも当てはまります。実際のところ、全てのカード会社や金融会社・金融機関が、たった一度の延滞で事故情報を登録する訳ではなく、特に、すぐに振込をした場合などは無事故状態になっている事も多いでしょう。また、その後にきちんと支払いをしていれば、時の経過と共に帳消しになります。

ですが、中には厳しいクレジットカード会社や消費者金融もあって、たった一度の延滞でも事故者扱いするところが少なくないのも事実です。さらに、帳消しになるまでの期間も異なります。ですので、気になる方は、事前に調べられるといいでしょう。自分自身の情報は、各信用情報機関のサイトから開示する事が出来ます。

また、カードの支払いやローン返済に遅れがなくても、既存の借入残高が多い場合は、融資額の引き下げや見送りが検討される事があります。前述の通り、デンタルローンは総量規制の対象外ではありますが、やはり無理な貸付はお互い危険です。そこで、すでに消費者金融や銀行系カードローンを使っている人は、その負債総額も合わせて年収の3分の1。それを基準に融資の可否や限度額を定める事としているのです。

しかしながら、最も危険なのは、端から信用情報の登録されていない人です。何しろ、信用情報機関に情報を登録してもらうには、どこからか、なにかしらのお金を借りたり、分割払いで買い物をし、それを毎月少しずつ支払ったり、返済していないといけない訳です。

ところが、世の中には、クレジットカードも持っていない、自動車ローンや住宅ローンなどのローンも組んだ事がない、金融会社からお金を借りた事もないという人がいます。一見、真面目で最も信用度の高い人に見えますが、いかんせん、信用度を測るためのツールがないのですから困ったものです。結果、審査基準を満たしていないとなって、審査落ちの要因になる事も珍しくありません。

ですので、そういう場合は、信販会社やカード会社のデンタルローンの申し込みと並行して、クレジットカードを一枚作る方向で検討されるのも一つの手でしょう。

デンタルローンの審査基準3、目的別ローンとしての利用目的


返済能力の有無と信用度については、全てのローン会社や金融機関の全てのローン商品において重要視されます。それも、ほぼ同等の審査基準を定めていると見ていいでしょう。

しかし、デンタルローンは歯の治療にかかる費用を用立てる金融商品です。そのため、利用目的が限定され、どこで、どのように使うかも審査基準に含まれています。しかも、掛かり付けの歯科医院でインプラントをするとか、美容外科で歯列矯正をするというだけで審査基準を満たせない事も有り得るので要注意。治療内容や医療機関に応じた借入先や商品を選ぶ必要があります。

そもそも、金融会社や金融機関が出す個人向けローンには大きく分けて2つ、借りたお金の使い道と必要額を明確にして申込する目的ローンと、使途自由なフリーローンがあります。後者は事業ローンではありませんから、会社を立ち上げたり、運営して行くための資金繰りには使えませんが、プライベートなシーンでなら、いつ、どこで、何にいくら使っても自由。特にカードローンになると、限度額の範囲内で何度でも借りたり返したり出来ます。非常に便利な代物で、いざという時のために契約し、ローンカードを持ち歩いておられる方も少なくない事でしょう。

けれど、デンタルローンのような目的別ローンになると、そうは行きません。少なくとも、歯医者さんで歯の治療費用として支払うのが絶対条件。さらに、医療ローンの一種として取り扱っている金融機関や金融会社では、医療行為に該当しない審美歯科は除外です。そこで、美容外科で受ける歯列矯正や歯科医院で受けるホワイトニングには利用出来ないというケースが出て来ます。

加えて、信販会社やファイナンス会社、あるいは、クレジットカード会社の出すデンタルローンは、その多くが立替払い方式と呼ばれる物で、クレジットカードと似たようなシステムになっています。そのため、各ローン会社の加盟医院や提携医院でしか利用出来ず、まだまだ全国的に見て、使える歯医者さんが少ないのが現実です。

という事で、デンタルローンを使って歯の治療を受ける場合、その審査基準を満たすためには、歯科医院が先か? 金融機関や金融会社が先か? 取り敢えずどちらか一方を定め、それから治療計画を立てる事になるでしょう。

とにかく低金利のデンタルローンをとなると、ジャックスやイオンファイナンスのような民間のローン会社がおすすめなのですが、限られた歯科医院でしか利用出来ません。そこで、まず最初に、各社の専用サイトにアクセスし、提携医院を探すところからのスタートとなります。ですが、Web事前審査があったり、申し込みから契約まで一貫してインターネットで出来たりとメリット満載。手続きや審査に要する時間も短く、迅速な対応が期待出来ます。

一方、銀行や信用金庫など、金融機関の出すデンタルローンは直接ゆうし。専用のカードを使ってATMから引き出したり、自分の口座に振り込まれているお金を自分で歯科医院に支払う形になります。ですから、特に医療機関の指定はありません。掛かり付けの歯科で治療をと思うのであれば、こちらの方がおすすめです。少々高金利でも、遠方の歯科まで通う時間や費用を考えれば、その方が利口になる事も十分有り得ます。

ただし、融資後は実際に歯科に支払った事を証明する領収書の提示も必要で、都度、来店して手続きしなければならないところもありますから、中々面倒です。審査に有する時間も長めです。という事で、どちらも一長一短という事で、審査基準を満たしやすい方を選択される事おすすめします。