低金利のデンタルローンを利用したければ、歯科医院選びにも注意を
皆さんは、デンタルローンを利用する前に、そもそも「デンタルローン」って何だろう? どんな仕組みなんだろう? そう思った事ありますか? 単純に歯科医にすすめられたからデンタルローンを利用しようとか、利用したいとかって思っていませんか?
もちろん、多くの方は、歯科医院でその存在を知り、申込をされる訳で、その事そのものに問題はないでしょう。ただ、デンタルローンの仕組みを知れば、少し選び方が変わるような気がします。そう、デンタルローンと言っても、住宅ローンやマイカーローンのように、多くの信販会社やクレジットカード会社、さらに、銀行までもが出しているのです。そこで、どこの会社のデンタルローンを使うかは重要な問題。ローン会社や金融機関によって金利や審査基準に差があります。借入限度額も違えば、返済期間も違うのです。
まあもっとも、限度額については、最低でも300万ですから、殆どの歯科治療は受けられるでしょう。さらに、たとえ利用限度額800万でも、自分の収入や既存の借入との兼ね合いから、満額まで借りられない事は大いに有り得ます。と言うより、サラリーマンやOLの場合、300万が限度と思っておいた方が確かです。返済回数についても、最低60回、5年の分割払いですから、それなりに余裕はあります。長いものになると84回、7年となってはいますが、あまりに長期になると、月々の分割支払金は少ないものの、手数料がバカになりません。最初の1年間は、ひたすら分割手数料を支払いしているだけということにもなりかねないので考え物です。
しかしながら、金利と審査基準の違いは重要視しなければなりません。当然ですが、信用調査に自信のある人なら、少しでも低金利のデンタルローンをつかいたいでしょうし、使うべきです。でも、その一方で、安定した収入はあっても、パートやアルバイトであるとか、年金受給者であるとなると、審査面で不安が出てきます。なので、そうした場合には、少々金利は高めでも、柔軟性を持って審査してくれるところを選ぶ事がポイントになるでしょう。
にも拘わらず、歯医者さんで言われるがままに申込をしたり、ローン契約する人が後を絶ちません。結果、ローン審査に落ちる人や高金利で借入する人が少なくないという訳です。そもそもデンタルローンというのは、歯の治療費全般に使える目的ローンです。ローンというくらいで、家や車を買う時と同じ、しっかりと歯医者さんでの治療費に使うお金という目的を持って借入します。そこが消費者金融やクレジットカードのキャッシングとは違うところです。
ただ、今はローンと言っても、借りたお金は何に使おうが利用者の自由というフリーローンも沢山あります。銀行カードローンなどは、その典型的例だと言えるでしょう。三井住友銀行カードローンや楽天銀行カードローン、オリックス銀行カードローンなど、審査も簡易で、誰でも比較的容易に持てるカードローンが盛んにPRされていますが、これらはどれも、使い道だけでなく、カードさえあれば、借り方も自由。返済の方法やタイミングもいくつか選択肢があって、必要な時にお金を借りて返すというのを指定の金額の枠内で繰り返す仕組みです。
さらに、消費者金融の貸付も似たようなシステムになっている訳ですが、ジャックスやセディナ、アプラスなど、大手信販会社の出すデンタルローンは全くシステムが違います。まず、銀行や金融会社と利用者との二者間契約ではなく、歯科医院も加わった三者間契約になり、自分が借りたお金なのに、自分の口座には振り込まれません。また、カードが発行され、それで引き出せるというものでもありません。借りたお金は歯医者さんの口座に振り込まれるのです。
速い話、金融会社が立て替えて支払をし、患者がその金融会社に分割で返済をする形になります。そこで、正式なデンタルローンは、指定の歯科医院でしか使えません。そして、その指定の歯科医院というのは、各デンタルローンを出している信販会社やカード会社などと予め契約している提携歯科医院や加盟歯科医院です。
そうなると、金利だけ見て、自分はこのデンタルローンが使いたいと思っても、使えない歯科もある訳です。逆に言うと、掛かり付けの歯医者さんですすめられたデンタルローンより、もっと低金利のデンタルローンがあるかも知れません。ただ、それをその医院が扱っていなければ、当然、患者にすすめたり、紹介する事はないでしょう。
という事で、デンタルローンを使ってインプラント治療や矯正治療をしたいと思ったら、まずは様々な会社のデンタルローンを調べ、自分に合ったデンタルローンを通っている歯医者さんが扱っているかどうかを確認する事が必須です。そして、低金利なデンタルローンを利用したければ、そのローンが使える歯科医院に行く必要があります。お金を払うのは患者自身なのです。日ごろの付き合いや義理人情も大切ですが、それ以上に、少しでも楽に返済出来る医療機関を優先すべきでしょう。
低金利のデンタルローンは、いい歯科医との出会いに繋がる可能性あり
低金利なデンタルローンは、腕のいい歯科医のいる歯科医院で多く扱われていると言われています。逆に言えば、低金利のデンタルローンの使える歯科医院は、安心して通える歯科医院という事になるでしょう。
そもそもデンタルローンというのは、歯科治療専門のローン商品です。審美歯科や矯正歯科のように、端から健康保険を使った診療が出来ない歯科での治療を受けるための治療ローン。あるいは、保険の使える歯医者さんでも、高級な入れ歯を入れたい時やインプラントのような自費診療となる治療の費用を賄うために用います。つまり、何に使ってもいいお金ではないのです。借りたお金は必ず歯の治療に使わなければなりません。
ただし、多くのデンタルローンは、歯科治療全般に対応していて、インプラント治療や保険の利かない高価な入れ歯はもちろん、審美歯科治療や歯列矯正にも使えます。そう、必ずしも医療費と言いがたい費用であっても、それが歯科での治療費ならOKという訳です。なので、健康保険のように、同じ結果や効果を出すのでも、これは使っていいけど、あれは使っちゃ駄目とか、この方法OKだけど、この方法はNGなんて、いちいち細かい事は言いません。基本的に治療内容や素材を問わず、融資を受ける事が出来ます。また、デンタルローンを使って治療するとなると、医院の方でも、それなりに審査の通る見積もりを作ってくれる事でしょう。
という事で、着色を完全に取り、歯を白くするホワイトニングでも、どこからどう見ても自分の永久歯という美しいセラミック義歯を並べたオールセラミックも、これまでは高嶺の花で、サラリーマンやOLには中々手が出ませんでしたが、デンタルローンがあれば大丈夫。毎月少額ずつ分割払で返済して行く形で、高額な歯科医療が受けられるのです。もちろん、殆ど目立たないように歯並びを矯正出来る裏側矯正もOK。
ただ、これら最新の歯科治療は、それなりの技術と経験を持った歯科医にしか出来ず、その歯科医のいる歯科医院を探すのが大変です。しかし、こうした治療を実施している医院の多くは、デンタルローンの使える信販会社やクレジットカード会社の提携医院となっています。なぜなら、そうでなければ自費でまとまった診療費を出せる患者さんなど限られていて、今のご時世、中々商売繁盛とは行かないからです。即ち、デンタルローンを利用する事は、いい歯科医やいい歯科医院との出会いにも繋がる事になります。
しかも、こうした高額な治療をしたい医療機関は、一人でも多くの患者さんにデンタルローンを利用して施術を受けて欲しい訳です。それを考えると、比較的低金利のデンタルローンを扱っている可能性は低くないという訳です。
単なる医療ローンではないデンタルローンだから低金利なんです
デンタルローンを使って歯科でのインプラントや矯正をする事は、まあ速い話、美容外科でローンを組んで整形などをするのと同じ感覚だとおっしゃる方がおられます。確かに、それはその通りなのですが、美容外科に対応しているローンは「医療ローン」や「メディカルローン」、あるいは「治療ローン」などと呼ばれる目的ローンの一種で、少々金利お高めとなっています。なぜなら、100%健康維持や増進に関与しない施術に使われる事も珍しくないからです。
もちろん、元々医療ローンは、先進医療を用いたガン治療のように、やはり完全に自費診療となる高度医療に使われるために誕生しました。そして、今でも、その用途での申込は決して少なくありません。ただ、これはいくら人の命を守る事とは言え、契約者が患者さん本人の場合、健康面でのリスクが非常に大きくなる事は否めない訳です。それもあって、少々高金利となっています。また、最初から返済してもらえない可能性の高いお金は貸せないという事で、審査が非常に厳しいのが現状です。
けれど、歯科治療は違います。インプラントで歯を丈夫にしたり、歯科矯正で歯並びや隙間を整える事で食生活が安定し、バランスのいい食事が出来るようになります。そう、歯と人間の健康というのは実に密接な関係があって、高度な治療を受ければ、間違いなく健康増進に繋がるのです。そこで、信販会社などの出しているデンタルローンと名の付く金融商品は、ただの医療ローンよりも低金利なものが目立ちます。
さらに、普通に会社に行って仕事をして、その合間に治療というのが審美歯科や矯正歯科に通う患者さんたちのオーソドックスなパターンです。インプラントもそうですが、歯医者に通うために仕事を辞めたり、長期休暇を取る人など、めったにいないでしょう。という事で、現時点で定職に就いていて、安定した収入があれば、返済能力があると言えます。そこで、医療ローンに比べて、比較的審査が易しいというメリットも持っているのです。
ただし、中には医療ローンをそっくりそのまま歯科治療専用にしている金融会社もあるので要注意。当然ですが、歯科治療はれっきとした医療行為で、歯科治療費は医療費控除の対象にもなっています。ですから、医療ローンとして何が悪いのという感覚です。また、実際に、医療ローンを使って歯科矯正をしている人も大勢いいます。ですが、医療ローンになると、低金利はまず望めません。審査に手間取る事もあります。ですので、やはりデンタルローンという特定の目的ローンである事をしっかり確認した上で申し込みされる事をアドバイスします。
信販会社が出す低金利のデンタルローン
現在、国内の信販会社が出しているデンタルローンとしては、ジャックスの「デントキュア」、セディナの「スマイルライン」、オリコの「デンタル安心サポート」、それに、アプラスの「デンタルローン」などなどがあります。この中で、最も低金利なのは、ジャックスのデントキュアです。
原則として、実質年率4.5%の固定金利。限度額も500万円と、信販会社系のデンタルローンの中では最高額で、返済期間も7年と最長です。ただ、少々審査が厳しく、申し込み可能年齢も満20歳から満65歳未満と、やや狭め。綺麗なバラにはとげがあると言ったところでしょうか。
一方、オリコは満18歳から80歳までOKという事で、幅広い年代の人が利用出来るかと思われます。年金受給者でも大丈夫です。実質年率は6.0%~13.2%と、ジャックスに比べれば随分高金利に見えますが、これでも、他社に比べれば低金利。学生や主婦でも連帯保証人を立てれば契約出来るので、この年利でこの対象者の広さは嬉しいと言えるでしょう。限度額は300万円で、返済期間は最長5年です。
ならば、セディナはどうかと言うと、こちらも限度額300万円で、返済期間は最長5年。やはり満18歳から申し込み出来ますが、年齢の上限が満70歳未満となっています。実質年率も7.8%~11.8%と、さらに高めになるようです。しかし、最低金利はオリコより高くても、最高金利は1%も低いではありませんか。しかも、こちらは必ずしも患者が自分で借入しなくても、親が子どものために、あるいは、子どもが親のために契約する事が出来ます。その点では、利用価値のあるお宅も少なくない事でしょう。
最後にアプラスローンですが、こちらは実質年率7.2%~14.4%。最低金利だけ見れば、それほどでもありませんが、お世辞にも低金利と言いがたい部分は否めません。また、申し込み可能年齢も満20歳から満65歳未満と、しっかりシビアです。にも拘わらず、限度額は300万となると、まるでいいとこなしという気がします。
ですが、こちらは返済回数が最高84回、最長7年と長く、申し込みが簡単。自分でパソコンから手続き出来るというメリットを持っています。さらに、このアプラスは、新生銀行グループの信販会社で、ツタヤのTカードを出している会社です。そのため、デンタルローンを使ってお金を借りると、200円につき1ポイントのTポイントが貯まるという他にはない特典があります。
銀行が出す低金利のデンタルローン
デンタルローンと名乗る以上、歯科治療費専用のローンであるというのが原則です。そして、歯科治療を受ける患者と、治療をする歯科、その費用を用立てるローン会社との三者間契約となり、お金は歯科医院の口座に振り込まれます。そのため、利用する金融会社の提携歯科医院でないと使えません。
しかしながら、歯科治療費という利用目的でお金を借りるのであれば、銀行の目的ローンでもOKな訳です。そして、目的を定めた個人向けローンなら、多くの銀行が出しています。因みに、マイカーローンや住宅ローンなど、銀行ローンには、使途を明確にした目的ローンと、使途自由なフリーローンがあって、公社は消費者金融と大差のない高金利のものも少なくありませんが、前者は間違いなく低金利です。平均3%から10%と言ったところでしょうか。さらに、限度額も500万から800万、返済期間も8年から10年と、恐ろしく長いのが特徴です。
しかも、銀行ローンの場合は、患者と融資する金融機関の二者間契約で、お金は自分の口座に直接振り込まれます。つまり、どこの歯医者さんで治療を受けるかは関係ないのです。使途証明書類として治療の内容と診療費を明確にした見積書さえあればOKです。
確かに、昔は銀行と言えば、企業相手の大口ローンが主流で、個人向けローンでも家や車、あるいは子どもの学費など、それなりに高額なものにしか使えませんでした。でも今は違います。100万円前後の小口融資でも、喜んで取り合ってくれます。
ただ、やはり信販会社に比べて条件が厳しく、シビアである事は否めません。特に、専業主婦や学生はもちろん、年金受給者も申し込み不可というところが目立ちます。さらに、自行に口座を開設していなければ駄目とか、挙げ句の果ては、自宅か勤務先の担当エリアの支店でしか受け付けないなどなど、いろいろ条件があります。
そんな中、比較的幅広い人に門戸を開き、どこよりも低金利なのがスルガ銀行の目的ローン「リザーブドプランプラス」。こちらは歯科治療費専用ではありませんが、是非とも歯科治療にもお役立てくださいと謳っている隠れデンタルローンです。
実質年利2.5%~7.5%という驚きの低金利で、利用限度額は800万円。返済回数は最大120回、10年です。しかも、ガン保険付き団体信用生命保険が付帯しているため、自分に万一の事があっても、家族に迷惑を掛ける心配がありません。また、パートでも、アルバイトでも、年金受給者でも、安定且つ継続した収入があれば契約出来る可能性は低くなく、専業主婦の場合は、配偶者の収入証明書を提示する事で審査を受けられます。
ただし、流石のスルガ銀行でも、学生だけはNG。その代わりに、親が代わりにローンを組む事が出来、逆に、高齢の親のために、子どもがローンを組む事も出来ます。なので、デンタルローンと大々的に銘打ってはいませんが、選択肢の一つとして検討されてみてはいかがでしょうか?