フリーターでもデンタルローンを組んでインプラントや歯科矯正を受けられるのか?
『デンタルローン』や『デンタルクレジット』と呼ばれる歯の治療費専用のローン商品。これを利用すれば、保険の利かない治療も怖くありません。インプラントなら月々1万円程度、歯科矯正でも毎月2万円程度の支払いで受けられます。
確かに、申込に必要な書類が多かったり、商品によっては治療内容や治療を受ける歯科医院が限られるなど、面倒な点があるのは否めません。しかしながら、フリーローンに比べて低金利で、利用限度額が高く、おまけに、医療費控除の恩恵も被れるという事で、徐々に人気の金融商品になりつつあると言っていいでしょう。それに伴い、取り扱う歯科医院も着実に増えつつあります。
しかし、定職に就いていないフリーターの場合、かなりの高確率で審査に落ちるという噂があります。そこで今回は、果たして本当にフリーターだとデンタルローンが組めないのか? もし、それが本当なら、なぜなのか? どうすればフリーターでもデンタルローンを使ってインプラントや矯正治療を受けられるのか? その辺りを考えてみたいと思います。
そもそもフリーターの“フリー”は、“自由”という意味を持つ英語。フリーターの“ター”は、学業や研究の傍らで働く人という意味を持つドイツ語の“アルバイター”から、おしり2文字をちゃっかり拝借したものです。つまり、英語でもない、ドイツ語でもない海外では絶対に通用しない日本語で、特定の夢や目的を持って定職に就かず、日雇いや短期契約のアルバイトで生計を立てている若者の代名詞として誕生した言葉でした。
たとえば、お笑い芸人になりたいとかモデルになりたいと思えば、数多くのオーディションを受ける必要があります。当然、合格に向けての練習や自分磨きも大切で、時間の自由が利かなければ結果を出す事が出来ません。そこで、オーディションや練習の合間に飲食店などで働き、生活費や必要経費を稼ぐという一つのライフスタイルを確立する必要がある訳です。このライフスタイルこそがフリーター。
そう、フリーターは決して就職出来なかったのではなく、単に自分の意思で就職しなかっただけ。それも、働くのが嫌で就職しなかったのではなく、時間の自由を求めてあえて就職しなかった若者たちでした。
という事で、フリーターだから怠け者だとか、アバウトな人間だと判断する事は出来ません。むしろ、強固な意志や考え方を持っていなければやって行けない生き方です。とは言え、常にお金のやりくりに四苦八苦し、健康保険にすら加入していない人も大勢いました。結果、銀行やローン会社の出すマイカーローンなどの目的別ローンは勿論、消費者金融のカードローン審査にも通らないというのがオーソドックスなパターンだったと言えるでしょう。
けれど、今は全く状況が違います。Wikipediaによると、正社員として一定の企業に勤務しているか、正職員として一定の組織に所属している人以外で労働による収入を得、それで生計を立てている人全てを「フリーター」と称するというではありませんか。となると、パートやアルバイトだけでなく、契約社員も派遣社員も、嘱託もみんなフリーターなのです。彼らを敬遠していてはビジネスは成り立ちません。
という事で、銀行やローン会社の見解は大きく変化しました。実際、今はフリーターであっても、学問や夢を極める傍らで働くのではなく、それを専業とし、生活の中心に置いている人は大勢います。当然、そういう人たちは安定した就労環境のもとにいて、毎月安定した収入を得ているものとみられますから、返済能力あり。そこで、パートやアルバイト、派遣や契約社員でも、安定かつ継続した収入があれば申込み可能とするようになっているのです。
従って、フリーターだからデンタルローンが組めないとは限っていません。ただし、全てのフリーターがデンタルローンを組める訳でもありません。ではでは、どのようなフリーターがデンタルローンを組めて、どのようなフリーターがデンタルローンを組めないのか? 金融機関や金融会社の出すデンタルローンの申し込み要件や審査基準を参考に検討してみましょう。
フリーターがデンタルローンを申込みする時の最大のネックは収入と限度額
まず、フリーターでもデンタルローンが組めるのかどうかと尋ねられれば、答えは簡単、組めます。なぜなら、多くの金融機関やファイナンス関係の業者が出している申込み条件、「安定かつ継続した収入のあること」を満たしているフリーターは大勢いるからです。ただ、フリーターにとって最大のネックは、やはり年収でしょう。
実は歯科ローンは医療ローンの一種で、総量規制の対象外だと言う専門家も多いのですが、これは鵜呑みにしてはいけません。そもそも医療ローンであっても、緊急の手術を要するような場合でなければ、年収と貸付総額のバランスはしっかり検討されます。特に美容整形や歯科治療においては、お金を借りてまでもという人もいるくらいで、命に関わるような治療ではありませんから、たとえ総量規制の対象外であっても年収の3分の1を超える融資はされないのが一般的なのです。
実際、信販会社やローン会社は勿論、今は銀行でも、その多くがパート・アルバイトを歓迎する傾向にあります。ただし、金利と融資の限度額については審査の結果を見て決めるとしているところが圧倒的多数。となると、ボーナスのないフリーターは、十分な額の融資を受けられない可能性を秘めているのです。さらに、大半のローン商品は、高額融資より少額融資の方が高金利になる上、月々の返済額も多めに要求されるシステムのため、こうした点でも不利になるものと思われます。
しかしながら、それにはそれなりの理由があって、互いにそれなりのリスクを背負った上での取引である事を把握する事が大切です。何しろ、フリーターには毎月最低限これだけはもらえるという基本給が存在しません。働けば働いた分だけお金になる反面、休んだら休んだ分だけ手取りは減少します。加えて、辞めたら最後、自分の事情であれ、会社の事情であれ、退職金もなく、たちまち路頭に迷う事になるのです。
そうした危険を少しでも軽減するためには、少しでも速く、少しでも多く返済してもらう事が望ましいのは言うまでもありません。また、保証会社としても、十分な保証料をもらわないと引き受けられないという事で、その保証料に該当する金利が高くなるという訳です。
一方、借りる側としても、少しでも早期に完済する事を考えるのが何より大切です。そのためにも、無理な借入は厳禁。互いが、いざという時にでも困らないような取引をする必要があります。
以前、充実したマネーライフをサポートする情報ポータルサイトの記者、サンシャイン田中氏が、ちょっと面白い実験をされました。それは、典型的フリーターである夜の世界で働く女性が大手カードローン会社のローン審査を実際に受け、通るかどうか? いくらくらい借入出来るのかどうかというもの。
実験の協力者であるH子さんは34歳で、現役バリバリのお水ですが、現在の店で1年以上働き、400万円を上回る年収があります。しかも、既存の借金はなく、クレジットカードで買い物しているくらい。となると、100万円程度の借入は楽勝という感じもします。
とは言え、そこは不安定な職業にあるという事で、控えめに30万円で申し込み。結果、利用限度額30万円で見事に審査を通過する事が出来ました。これは年収の10分の1にも満たない金額で、月々の返済額は1万円以内に収まります。この額なら、少々収入が減っても、払い続けられる事でしょう。
ちなみに、この実証実験は、大手消費者金融のアコムのフリーローンで行われましたが、銀行カードローンでも、目的別ローンでも、この基本スタンスに大差はありません。審査落ちを防ぐ最大のポイントは高望みしない事です。極力、必要最低限の治療費に収まる方法を歯科医とよく相談される事をおすすめします。
そして、少額の借入でも金利で損をしないように、固定金利のデンタルローンを選ぶのがコツ。そんな美味しいローン商品がそう沢山ある訳ではありませんが、大手信販会社「ジャックス」の出す「デントキュア」、もしくは、イオンファイナンスの出すデンタルローンなら、借入金額に関係なく、実質年率5%以下で利用出来ます。
対象者:満20歳~満65歳未満で、安定かつ継続した収入のある人。パート・アルバイト・年金受給者でも申込可能。ただし、ジャックスの提携歯科医院で治療を受けるのが条件。
限度額:500万円
金利:実質年率4.5%
返済回数:最長84回
対象者:満20歳以上で、安定かつ継続した収入のある人。パート・アルバイトでも申込可能。ただし、イオンプロダクトファイナンスの定期絵歯科医院で治療を受ける事。
限度額:500万円
金利:実質年率3.9%
返済回数:最長84回
デンタルローンの審査に通りにくいフリーター
申込者がフリーターだからと言って、100%審査落ちするデンタルローンはありません。ただし、恐らく100%審査落ちするであろうフリーターは存在します。それは、無職のフリーターです。
皆さん、フリーターと名乗る以上、何かしらの仕事をしているものと思われるでしょう? 実際、フリーターと明記した上でデンタルローンの審査に通った利用者は、少なくとも、契約時点では有職者だったものと思われます。
しかしながら、厚生労働省が定めるフリーターの定義には、パートやアルバイトとして働く意思があれば、現在は全くの無職でもフリーターと見なす事になっています。さらに、毎日とか、毎週とか、毎月といった明瞭な周期も不要なら、週に何日とか、月に何日といった規定も一切なし。おまけに、夏だけとか、冬だけといった季節限定でも取り敢えず継続して何かしらの仕事を非正規雇用でしていればフリーターなのです。
当然、限られた勤務日数や勤務時間で、自らが生活して行くのがやっとというような状況ではデンタルローンは組めません。ましてや、いくら働き気満々でも、現実に就労しておらず、無収入では話にならないという訳です。
ですので、フリーターとしてデンタルローンの審査に通るには、まずは一定の勤務先があって、電話で在籍確認が取れる事。これが重要です。さらに、その会社や店舗に1年以上、毎月一定時間以上勤務している事も必要不可欠になるものと思われます。それにより、安定かつ継続した収入がある事という最低限の審査基準を満たしている事が実証されるのです。
加えてもう一つ、たとえ勤務歴10年、年収1,000万のフリーターでも、信用情報に問題があれば、やっぱり利用出来ない可能性があります。しかも、この信用情報は、単に過去に金融トラブルを起こしていなければいいというものでもありません。銀行カードローン審査などで利用される個人信用情報機関に一切の情報がないスーパーホワイトもまた要注意という事で敬遠されるのです。そういう意味で、先のH子さんの場合は、クレジットカードの使用歴があった事が功を奏したものと思われます。
ですので、もしデンタルローンを組んで歯科治療を受けようと思われるのであれば、今一度、自分の経済状況を見直し、本当に個人情報に問題がないかどうかを確認される事が大切です。そして、もし、これまでにクレジットカードすら作った事がないという方は、まずはカードを作り、少額の買い物をして支払いするのも一つの手。あるいは、携帯電話を分割払で購入するといった方法でも構いません。とにかく信用情報機関にクリーンな情報をアップする必要もあるという事を知っておきましょう。
フリーターとしてデンタルローンを申し込む前に知っておきたい目的ローンの実際
『デンタルローン』は歯の治療費専用の目的ローンです。よって、歯医者さんで受けるインプラント治療や矯正治療などに掛かる医療費以外は借り入れする事が出来ません。時々、消費者金融に借入のある人や銀行系カードローンを利用している人が、まとめローンよろしく、その残高分も一緒にかりて完済し、借金の一本化をと考えられるようですが、それは実に浅はかです。
そもそも目的ローンというのは、最初に借りたお金の使い道を定め、その必要額のみを用立ててもらう金融商品。昨今は、高価な楽器を購入するための楽器ローンや結婚式を挙げるためのブライダルローンなど、多種多様の目的ローンが出されていますが、その手続きとお金の流れは皆同じです。
たとえば、住宅ローンやマイカー論を組んで家や車を買う場合は、買いたい物件や車両を決めてから申込みします。教育ローンや海外留学ローンも同様。子どもが志望校に受かった後や留学先が確定して初めて申し込み可能となります。つまり、お金があって使い道を決めるのではなく、使い道を決めてからお金を準備するもので、必要以上のお金は貸さない、借りない。それがこのローンのスタンスです。
そこで、デンタルローンも、まず最初に歯科医院で診察を受け、見積書を書いてもらう必要があります。そして、そこに明記された治療費の総額を限度額として審査されるため、治療費が50万円となっていれば、融資額は50万円です。
しかも、信販会社やローン会社、あるいはカード会社の出すデンタルローンは立替払い方式と呼ばれるローンで、たとえ審査に通っても、そのお金が自分の手に入る事はありません。直接治療を受ける歯医者さんに支払われ、私に来るのはローン返済の義務のみです。そう、仮に50万円でいいところ、100万円の借入に成功したとしても、余ったお金で既存の借金完済とは行かないのです。
その代わりに、こうした目的を定めたローンは全体的に金利が低めに設定され、返済期間も長めのものが目立ちます。流石に住宅ローンのように20年・30年かけて返せばいいとまでは行きませんが、信販会社やローン会社で5年から7年。銀行ローンになると返済期間10年、120回払いまで可能なんていうものもあります。
さらに、銀行ローンの多くは、たとえ目的ローンであっても直接払い方式。一旦は自分の手元に入金され、それを自らの手で医療機関に支払いする形になります。ですから、歯科医に頼んで高額の見積書を作ってもらえれば、過分な融資を受ける事も不可能ではないでしょう。とは言え、融資希望金額が高くなればなるほど、間違いなくローン審査のハードルも高くなります。
取り分け、フリーターが高額の融資を申し込むのは実に危険で、審査落ちする要因にもなりかねません。ですので、もしどうしても既存の借金を一本化したいのであれば、デンタルローンではなく、おまとめ専用ローンを検討される事をおすすめします。ただし、その場合は、デンタルローンを使った歯科治療は諦めるのが賢明です。
2つのローンを同時期に申し込み、両方の審査に通る事はまずありません。それどころか、たとえ年収1,000万のサラリーマンでも、両方の審査に通らない可能性大です。ましてや、既存の借金があれば、総量規制の観点からも、益々状況は不利になります。ここはまず、何をさておいても債務処理。もし、デンタルローンを組んで強制やインプラントをしたいのであれば、その後に考える方が賢明でしょう。
既存の借入のあるフリーターがデンタルローンを組むにはどうすればいい?
フリーターであってもなくても、既存の借金の有無がデンタルローンの審査の合否を大きく左右する事は言うまでもありません。
当然、すでに借入があれば、審査は通りにくくなり、たとえ通ったとしても、希望通りの金額とは行かない可能性があります。特に年収の少ないフリーターの場合は、債務整理をきちんと済ませてからでないと、新たなローン審査に通過する事は難しいと思っておいた方が確かでしょう。
ならば、どうすればさらに歯の治療費を工面出来るのか? 正直、これは非常に難しい問題です。ただ、方法がない訳ではありません。今の借金をまとめ、一本化するという主張を武器に、銀行カードローンを申し込むという手があります。
実は今、日本では、少しでも多重債務者の負担を軽減するとともに、より確実な完済を支援すべく、借金の一本化を後押しするという暗黙の内の戦略が進行しつつあります。そこで、銀行や消費者金融では、その意思を持つ申込者に対しては、前向きに検討する傾向が強いのです。
ただし、完全なおまとめローン審査は、目的型ローン審査となってしまうため、通った暁には、既存の借金を完済しなければなりません。しかも、それを照明する事も義務付けられています。ですが、楽天銀行カードローンのような使途フリーのカードローンに申込し、審査を受けて通れば、最終的に手にしたお金を金融会社に支払おうが、歯科医院に支払おうが自由となります。
でも、そんな身勝手な事を金融機関や金融会社が認めるのでしょうか? 真面目な方なら不安に思われる事でしょう。でも、大丈夫。本音を言えば、銀行や消費者金融だって、まとめ専用ローンではなく、フリーローン、それも、カードローンを利用して欲しいのです。なぜなら、その方が金利が儲かる可能性が高いからです。
そもそもカードローンというのは、必ずしもフリーローンとは限っていません。また、フリーローンは必ずしもカードローンとも限っておらず、この2つの組み合わせとなっているかどうかが非常に重要です。
たとえば、フリーローンの契約で発行された限度額50万円の銀行カードの場合、50万円の借入をすれば、その時はそこまでです。ところが、10万円返済する事により、再び10万円の追加融資を簡単に受けられてしまうのです。おまけに、銀行カードローンの場合、契約に基づき、定期的に返済や金利の支払いさえしていれば、返済期間は半永久的に延長出来ます。
それに対し、ローンカードの発行されていないフリーローンは、一度50万円の融資を受ければ、あとは返済のみ。完済しても再び借入する事が出来ません。返済期間も定められています。
そう、ローンカードがあれば、その限度額の範囲内で何度でも、いつまででもお金を借りたり返したり出来、使途フリーの契約であれば、都度、使い道を申告する必要もないという訳です。そのため、融資元としても、少しでも長く、多額の借入をし、金利を払い続けてもらえる可能性のある使途フリーのカードローンは実に美味しい商品なのです。きちんと返済してもらえる見込みのありそうな人には、積極的に検討してくれるものと思われます。
という事で、最後に比較的人気のあるおすすめの銀行カードローンをご紹介しておきましょう。
対象者:満20歳~満66歳未満で、安定かつ継続した収入のある人。パート・アルバイトでも申込可能。口座開設不要。
融資額:10万円~800万円
金利:実質年率2.0%~14.0%
対象者:満20歳~満69歳未満で、安定かつ継続した収入のある人。パート・アルバイトでも申込可能。ただし、横浜銀行本店もしくは支店の営業圏内に在住している必要あり。
融資額:10万円~1,000万円
金利:実質年率1.9%~14.6%
対象者:満20歳~満65歳未満で、安定かつ継続した収入のある人。パート・アルバイト・学生でも申込可能。利用すれば楽天スーパーポイントが貯まる。
融資額:10万円~800万円
金利:実質年率1.9%~14.5%
対象者:満20歳~満69歳未満で、安定かつ継続した収入のある人。パート・アルバイトでも申込可能。口座開設不要。
融資額:10万円~800万円
金利:実質年率1.7%~17.8%
対象者:満20歳~満65歳未満で、安定かつ継続した収入のある人。パート・アルバイトでも申込可能。コンビニATMが手数料無料で利用出来る特典付き。
融資額:10万円~800万円
金利:実質年率3.8%~13.8%